食洗機用洗剤の特性・含まれる成分について解説します。また、我が家で使っているフィニッシュについてもレビューします。
・アルカリ性洗剤は洗浄力が高い
⇒クモリを取りたい場合はクエン酸の入ったものを選ぶと良い
⇒研磨剤不使用は中性の食洗機用洗剤
・中性洗剤はフライパンにも使える(ただし素材に注意)
⇒庫内の汚れが溜まる場合は、庫内クリーナーを使う
・フィニッシュは十分な洗浄力を持った洗剤
今回は、食洗機に使う洗剤について紹介していきたいと思います。
食洗機用洗剤は、普段手洗いで使う台所用洗剤では洗えないんですよね。。orz
普通の食器洗剤は泡立ち成分が入っており、そのまま食洗機に入れると庫内で泡立ち故障に繋がってしまうから。
なので、専用の洗剤を使う必要があります。
例えばどんな洗剤を買えばいいのか分からない…、台所用洗剤じゃダメなの…という方へ、食洗機用洗剤をご紹介。
我が家は2021年8月から粉末状のフィニッシュを使っていますが、湿気を吸って多少ダマになってもお皿は洗えています。
他にジェル状のものもあったりするのでそちらの紹介と、粉末状のメリット/デメリットなど合わせて掲載しますね!
食洗機用の洗剤は、500円前後で1袋買えます。
食洗機用洗剤選び方・種類(成分・特性)
アルカリ性・界面活性剤入りの食洗機用洗剤を使っていれば、洗浄不足に悩むことはありません。
ただ、フライパンを洗ったり、環境汚染が心配・赤ちゃんがいたりする場合は他の食洗機洗剤が必要な場合もあります。
なので、使い勝手でどのタイプにするか、適宜決めるのがベスト。それでは、洗剤の種類など解説していきますね。
洗浄力と環境負荷・洗える食器の種類はトレードオフの関係にあります。
食洗機用洗剤には汚れ落ちをよくするため、様々な成分が入っています。具体的には以下の3つ。
・クエン酸
・研磨剤(炭酸水素ナトリウム)
・界面活性剤
それぞれ見ていきましょう。
クエン酸
名前からも分かるように、酸性を示します。お掃除の時に使うと、水アカや黄ばみ・臭いを取るのに有効。
食洗機用洗剤に入っていると、グラスの曇りを取ってくれます。
クエン酸を使ったお掃除方法は、共立食品さんが紹介してくれていますね。
クエン酸の効果とは?お菓子・お料理・お掃除活用法|共立食品 (kyoritsu-foods.co.jp)
ただ、クエン酸入りの粉末状食洗機洗剤は粉末が細かく、使う際に舞いやすい傾向があるのも欠点…。気管支に入るとムセやすいので、喘息持ちの方はどは避けた方が無難です。
ジェル状の食洗機用洗剤であれば問題ありません
研磨剤(炭酸水素ナトリウム)
炭酸水素ナトリウムは別名「重曹」とも呼ばれ、油汚れや焦げ付きなどの汚れに有効。一般的な食洗機用洗剤にはほとんど入っています。
界面活性剤
食洗機用洗剤には、油汚れを浮かして流す(=洗浄力をあげる)ために界面活性剤が入っていることが多め。
特に、配合割合が5%以上だと高い洗浄力が期待できます。
界面活性剤について詳しく知りたい方はコチラ(下の画像引用元):界面活性剤は“悪いヤツ”ですか?|株式会社ナノエッグ (nanoegg.co.jp)
因みに、界面活性剤には「天然系界面活性剤」と呼ばれる自然由来のものも存在します。メインは下の5種類。
・ガゼイン(酪素)
・レシチン
・サポニン
・リン脂質
・ペプチド
この成分が食洗機用洗剤に入っていれば、天然系界面活性剤ですね。
ただ、調べてみても天然系界面活性剤を使った食洗機用洗剤は見つかりませんでした。。合成界面活性剤不使用の食洗機用洗剤なら何種類かあったので、参考までに掲載しますね。
食洗機用洗剤は成分に応じた得意・不得意がある
食洗機用洗剤の3要素を紹介しましたが、ユーザーに合わせて企業はたくさんの種類を用意してくれています。
それぞれの食洗機用洗剤にも得意な洗いものや、用途に応じた使い方があるので紹介しますね。
・フライパン対策:洗剤にはアルカリ性・中性がある
・環境・赤ちゃんを気にされる方:界面活性剤不使用の洗剤もある
・グラス・シルバーのくもりを取るには「クエン酸」
各用途に応じたおススメ食洗機用洗剤は下表の通り。
順に行きましょう。
普段の食洗機使用時はアルカリ性・フライパンには中性を使うと良い
アルカリ性は油汚れやたんぱく質を落としやすいですが、アルミ製の食器は錆の原因になるため使えません。
アルミと水が反応して、水素が出てきます(2Al + 3H2O → 3H2 + Al2O3)。
アルミ自体は両性金属といって、酸性でもアルカリ性でも反応して酸化物になる性質を持つ変わり者。
なので、もし食洗機で洗うとしても中性洗剤でなければ錆びやすくなってしまいます。。
なので、フライパンを洗ったりするときも中性の食洗機用洗剤がおススメ。
また、食洗機OKのフライパンでも、研磨剤(炭酸水素ナトリウム)の入った洗剤だと表面に傷が入り、寿命が縮んでしまうことも。。
フライパンの素材と、使える食洗機用洗剤の種類をまとめますね。
フライパンをよく洗うからといって中性の食洗機用洗剤ばかり使ってしまうと、食洗機の庫内に汚れが溜まりやすくなります。
食洗機の庫内に溜まった汚れを落としたい場合は、専用のクリーナーを使うと便利です。
食洗機庫内を汚れがたまったままにすると故障の原因にもなってしまうのでご注意を。。
フライパンについての詳しい記事は、食洗機用洗剤の性質とフライパン素材について解説した記事に書いています。
フライパンについては食洗機に入れられる種類が分かったけど、水筒もよく使うから食洗機で洗ってしまいたいとお考えの方へ。
食洗機で洗える水筒・洗えない水筒とその手入れについて紹介した記事を用意しました。参考になれば幸いです。
研磨剤の入っていない中性の食洗機用洗剤⇒フライパンに有効
研磨剤の成分は炭酸水素ナトリウム(=重曹)。
炭酸水素ナトリウム自体がアルカリ性を示すため、研磨剤不使用の食洗機用洗剤は基本的に中性となります。
LIONから出ていますね。これを使えば、フライパンでも洗える種類があります。
界面活性剤不使用の洗剤⇒環境・赤ちゃんの心配をされる方向け
洗浄力を上げられる界面活性剤ですが、赤ちゃんがいたり、環境を気にされる場合もありますよね。。
肌荒れの原因になってしまうんじゃないか?
石油から作られているからあんまり使わない方がいいんじゃないか?
そんな方には、合成界面活性剤不使用の洗剤もあります。
グラス・シルバーのくもりを取るには「クエン酸」
グラスやシルバーが曇ってしまうのは、水道水に含まれるミネラル(ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ケイ素など)が原因です。
ケイ素以外のミネラルは、水に溶けてアルカリ性になるので、酸性のクエン酸と相性Good。
曇りを取りたい場合には、クエン酸入りの食洗機洗剤を選びましょう。
食洗機用の洗剤は粉末状・ジェル状の2タイプ
コストパフォーマンスで考えるなら粉末状がベスト。
食洗機洗剤の形状は下の2種類です。
参考までに下に掲載しますね。上がジェル状、下が粉末状の食洗機用洗剤です。
我が家で使っている洗剤は粉末状。ここに載せているフィニッシュが、毎日活躍してくれていますね。
食洗機を購入時に取り付けまでやってもらうように注文すると、試供品をくれたりします。試供品は3回分程度を渡してくれます。
据え置き型(分岐水栓式)食洗機を取り付ける時は、分岐水栓や取り付けサービスなどのコストがかかってきます。なので、必要な作業や工具について詳しく解説した記事を作ってみました。
ジェル状の食洗機用洗剤はあまり使っていないですが、メリット・デメリットは以下になります。
- メリット
-食洗機の中に置くだけなので、手間が少ない - デメリット
-お皿の汚れ具合に応じた使用量の調整ができない
-使用時にはジェル1個1個の包装を開ける手間がある
粉末状の食洗機用洗剤の場合はジェル状のメリット部分ができない代わりに、デメリット部分は解消されます。なので最後は好みに応じて、ですね。
ただ、1点だけ大きなデメリットがあるので以下に掲載します。
ジェル状食洗機用洗剤最大のデメリット_コスパが悪い
コストパフォーマンスで考えると、粉末状の食洗機用洗剤が圧倒的に有利。
ほぼ同じ値段なものの、洗える回数は粉末状の方が多い結果になります。
以下に導出過程を載せますね。
例えば、先ほど一例に出したジェル状の洗剤「ジョイ」で考えてみましょう。54個が2セットなので、108回分洗えますね。
続いて、ほぼ同じ金額で買える粉末状洗剤「フィニッシュ」を見てみます。3セットだと内容量は900×3=2,700gですね。
2~3人のお皿なら小さじ1杯=5gが使用目安なので、2,700÷5=540回分使えます。
仮に4~5人用でも小さじ2杯=10gが目安となり、270回分使えます。
洗剤を袋から取り出して食洗機に入れる手間はジェル状・粉末状どちらも同じ。であれば、コストパフォーマンスの高い粉末状の方が良いですね。
レビュー_粉末状食洗機用洗剤フィニッシュの洗浄力や使用量
それでは我が家で活躍中の粉末状洗剤、フィニッシュについて見ていきます。下の順にご紹介。
①フィニッシュを使った時の洗浄具合
②1回あたりの使用量
③フィニッシュのデメリット
フィニッシュ(粉末状食洗機用洗剤)を使った時の仕上がりは?
多少無理な入れ方をしても、食洗機の性能なのか洗剤の力なのか、ちゃんと洗えています。
下からの水が届きそうな配置でお皿を並べれば、大きなカタマリの汚れ(ご飯粒とか)以外は落ちてくれます。とてもラクです。。。(T▽T)
洗ったあと、お皿には特に洗剤の跡なども残っていません。また、食洗機内に変な臭いが付いたりもしないので、我が家としては満足しています。
食洗機用洗剤の種類によっては、洗剤の粉が細かすぎて、洗剤を食洗機の中に入れているとむせそうになる種類もあります。
フィニッシュは1回で小さじ1~2杯の使用量
我が家で活躍している食洗機はPanasonicのプチ食洗機なので、目安はスプーン1杯分(小さじ1杯)です。
ただ、お皿をけっこう沢山入れる場合には、入れる洗剤の量はスプーン2杯分でやっています。
他にも豚の生姜焼きを食べた日は、ティッシュで油を取ってからスプーン2杯分で洗ってます💡
洗剤の裏側にはひどい汚れで目安スプーン2杯程度と説明がありますので、適量かな?と思ったり。
なので、毎日使うと3~6か月程度で1袋使います。1袋あたり430円とすると、1年では2~4個使うので860~1,720円程度のコストがかかりますね。
目安スプーン1~2杯と書いてありますが、これは小さじです。我が家では大さじ1~2杯で使っていたので、減りが早いと発覚しました。。
皆さんもお気を付けください(泣)
粉末状食洗機用洗剤フィニッシュのデメリットは3つ
洗浄力には問題のないフィニッシュ。では、使っている中で不便かも、、と思う部分の紹介をしていきますね。具体的には下記の3点かなと思います。
①粉末をすくう用のスプーンが付いていない
②袋のジッパーが壊れやすい
③外の湿気を吸ってダマになりやすい(洗浄力には問題なし)
①粉末をすくう用のスプーンが付いていない
他の粉末状食洗機用洗剤には付いていたりしますが、フィニッシュには付属していませんでした。
これは、コンビニとかに置いてあるスプーンを1個頂戴すれば大丈夫。我が家では100均でスプーンを1つ買いました。
②袋のジッパーが壊れやすい
これはよくあります。途中でジッパーが壊れて、上手く閉められなくなるんですよね。
ジッパーの片方が剥がれて、もう片方に持ってかれます。
なので保管は安定した場所に置いておかないと、倒れて中身がこぼれる。。という事になりかねません。
今は100均のカゴを置き場所にしています。
開封時に注意しないと袋が裂ける場合もあります。ハサミを使わないと、ジッパーが使い物にならなくなってしまうのが難点。
③外の湿気を吸ってダマになりやすい(洗浄力には問題なし)
ジッパーが壊れてから起こりやすいです。空きっぱなしなので、最初は粉末なのですが後半は少しダマが。。
ただ、ダマになってても食器は問題なく洗えます。袋にも説明が付いていますね。
でもダマになるのはな~。。という事で、奥さんはジップロックの中に入れるようにしました。
食洗機のお手入れには専用クリーナーを使いましょう
食洗機用洗剤は多く出回っていますが、フライパンを洗うために中性洗剤をよく使う食洗機の場合、手入れもした方がよいです(目安月一回)。
これは、アルカリ性洗剤に比べ、中性洗剤は洗浄力がどうしても落ちてしまうため。
中和能力が低い中性洗剤は、洗浄力も落ちてしまいます。
洗浄力が落ちるので、庫内にも汚れが溜まりやすくなってしまうんですね。
なので、庫内の汚れを落としたい場合にはPanasonicから出ている食洗機庫内クリーナーが役立ってくれます。
使用の際は庫内全体にまぶす様に入れてから、通常運転すればOK。
値段を抑えたい場合は、小林製薬から出ている食洗機庫内クリーナーでもOKですね。
我が家で使ってるパナソニックのプチ食洗機NP-TCR4は1年半手入れなしで動かしていたんですが…
先日、小林製薬のクリーナーを使って食洗機庫内を、クエン酸を使って食洗機の扉部分を掃除しました。
汚れの取れ具合や使ったクリーナー・クエン酸についての解説記事を書いたので、参考になれば幸いです。
まとめ
今回は食洗機に使う洗剤について、我が家で使っているものを紹介させていただきました。以下にまとめますね。
①食洗機には専用の洗剤を使うこと
②粉末状とジェル状の2種類がある
③粉末状の食洗機洗剤フィニッシュは洗浄力が高い
④フィニッシュは、ジッパーが壊れやすい
メリット | デメリット | |
食洗機用洗剤フィニッシュ | ・多少たくさんお皿を入れても洗える ・使用量の調整ができる | ・ジッパーが壊れやすい ・開けたままいると洗剤がダマになる ・粉末をすくう用のスプーンが付いていない ・食洗機に洗剤を入れる際に、スプーンですくって入れる手間がある |
夫婦二人暮らしの家庭では、2~3人用の食洗機が合うので、そちらに合う量で洗剤も使っていきたいですね。
下のプチ食洗機が、共働きの強い味方になってくれます。2~3人のご家庭におススメの1台。
23/12現在、後継機のNP-TCR5が販売されています。サイズ・スペックはNP-TCR4と同じですね。
NP-TCR4が洗えるお皿は、基本18点。お皿の入れ方によってはもっと洗えますね。
どれだけたくさんのお皿を一度に洗えるかパナソニック食洗機NP-TCR4にお皿を入れて洗浄具合を検証した記事もアップしていますので、お読みいただければ幸いです。
食洗機用の洗剤を買って、食洗機に家事を助けてもらいましょう!